痔核に対するシートン法

痔瘻とは肛門周囲にウミが溜まり、それが外にでることにより起こる痔です。

痔瘻になるまでの経過
肛門小窩 → 肛門線 → 感染 → 膿瘍 → 切開or自壊 → 痔瘻

痔瘻になるまでの経過

*肛門小窩 肛門と直腸の境にあるくぼみ
*肛門腺 肛門小窩に開いている粘液腺
*膿瘍 ウミのたまり

シートン法による痔瘻の治療方法

1995年、日本で最初に黒川院長がシートン法の具体的な方法を発表し、全国的に広まりました。新聞・雑誌等(その他マスコミ)に広く取り上げられました。

瘻管(ウミが通る管)をゴム紐で時間をかけて開放する方法で古典的療法のひとつです。この手術の特徴は瘻管の開放が進む一方でその傷が修復するので、後障害がなく、根治性が非常に高いということです。ただ、通院で完治するものの多少治療日数が長くなることもあります。

痔瘻の治療は、術者の経験や能力で適応や術後成績が大きく変わってきます。一般的に実施される括約筋温存手術の再発率は30%近いといわれていますが、私たちが行っているシートン法の再発率は1〜2%であるというのも魅力のひとつです。

ゴム紐を使ったシートン法の図説
日本大腸肛門病会誌52: 1052-1056
黒川彰夫ほか(1999)より

ゴム紐を使ったシートン法の図説